シーカヤック日帰り体験ツアーの実施報告

2022年8月31日

8月21日の日曜日にルサフィールドハウスの目の前の海でシーカヤック日帰り体験ツアーを実施しました。
その様子を少しお載せします。

本イベントは羅臼町主催、知床財団が企画・運営したものです。
「初心者がシーカヤックを操舵し、知床の自然や海と触れ合う」ことを目的に開催されました。

本イベントは町内と町外の方が参加されました。ほとんどの方がシーカヤックに乗るのが初めてでした。

まず、ルサフィールドハウス内でシーカヤックに関係する座学をしました。
知床半島先端部地区のエリアやそのエリア内でできるアクティビティについて、シーカヤックをする上での注意事項、ヒグマ対策などの説明を知床財団職員で行ないました。
シーカヤックは楽しい乗り物ですが、地元のルールがしっかりあることや、ヒグマに会わないためやヒグマに出会った時にどう動けばいいのか、お話しをさせていただきました。

座学が終わり遂に海に出られると思ったらまだ早いです。
海に出る前にしっかりと身に着ける装備とラダー(舵)を操作するペダルの位置を確認しました。
この行程を怠ってしまうといざ海へ出た際に、「この道具がない!」「舵の操作ができない」といったことになります。
海の上ではできないので、もう一度陸に戻って調整しなければなりません。
ですので、講師の指導の下、みんなで念入りに確認をしました。

さあ、いよいよ入水です。皆さん、不安と期待が半々な状態で1艇ずつカヤックがルサ川の河口から出ていきました。
誰一人シーカヤックがひっくり返ることなく、無事に漕ぎ出しスタートを切りました。
実は船に乗り込む時にバランスを崩し、ひっくり返ってしまうことがあります。
シーカヤックに乗り込む際は重心を低くして乗り込むことと講師からのアドバイスがありました。

ルサから昆布浜までの約3kmの区間を講師を先頭にし、ゆっくりとツーリングをした参加者。
筆者は道路上から様子を窺っていましたが、和気あいあいな様子が見えて、皆さんとても楽しそうでした。

ツーリングを終え、再度ルサフィールドハウス内に戻り、本イベントのまとめを行ないました。
今回の海上は非常に条件がよく、波が立っていない状態でした。
知床でシーカヤックを漕ぐなら当然天気を把握しなければならず、臨機応変な対応が必要となります。
また、地元の方に迷惑がかからないよう岸寄りにシーカヤックを漕ぐことを伝えました。

シーカヤックの事故が起こると行政だけでなく、地元の方も捜索をすることになります。
そのことをお話しすると、皆さんにこやかだった表情が一気に真剣な顔つきになりました。
こちらの想いがしっかりと伝わっていることが良く分かりました。

参加者に今回のツアーの感想を聞いたところ、全員一致で「とても楽しかった。またやりたい!」といった声をいただきました。

本イベントは今回の1回のみで終了となります。
来年度以降は未確定ですが、もし実施することが決定しましたら宣伝したいと思います。

最後になりますが、知床半島先端部地区でシーカヤックをされる方へ

シーカヤックは登山と同等のリスクのあるスポーツです。
お盆を過ぎると北西の風が吹き、ウトロ側は大波、羅臼側も「うねり」を伴った波が沿岸へ打ち寄せます。
知床の海を熟知したガイドへ依頼するか、シーカヤックを熟知した複数人で航行してください。

以下にシレココ「知床半島先端部地区 利用の心得」のURLを添付しますので、参考にしてみてください。
更に詳しい情報を聞きたい方は、ルサフィールドハウスまたは知床羅臼ビジターセンターまでお問い合わせください。

知床財団 モテギ