帰ってきたオンネウ

2020年9月25日

《オンネウ:アイヌ語でオジロワシのこと(諸説あり)。老大なものという意味。》

昨日(24日)、猛禽類医学研究所(IRBJ)によるオジロワシの放鳥に同行してきました。当個体は2019年12月に羅臼町で保護された個体で、地上を歩くだけで飛ぼうとはしなかったことから何らかの異常が疑われ、釧路湿原野生生物保護センターに搬送されました。IRBJの診断の結果、翼の骨折が発覚したため、治療とリハビリを受けていました。

そして今回、体力が順調に回復し野生に復帰できると判断されて放鳥にいたりました。怪我の後遺症で、とまっている時に右翼を完全に畳むことは出来ず少し垂れ下がってしまうようですが、生活には全く問題ないとのことです。

放鳥地点で搬送用のケージから出たオジロワシは、一瞬戸惑ったように周りを見回していましたが、すぐに力強く羽ばたいて飛んでいきました。

もし、道東で右翼が少し垂れているオジロワシを発見したら右脚をよ~く見てください。赤と黄色、2色のリングが装着されていたらこのオジロワシの可能性が高いので、元気にやっているなと静かに見守って下さいね※。

写真:放鳥直前のオジロワシ。右足のリングは個体識別のために装着されています。

※明らかな負傷や飛べないなどの異常個体を発見した際は、発見地点の市町村役場までご一報をお願いいたします。

知床財団:オガワ