知床岬を目指す

2019年7月24日

7月16日から18日の3日間、知床半島先端部を海岸トレッキングによって目指す巡視業務を行いました。

 まずは、ルサフィールドハウスから10分ほどで行き着く道路の終わり、相泊を朝5時にスタートします。
すぐに始まるのが石浜歩きです。石浜は硬く足に負担がくるばかりか、バランスも悪くどこで怪我をしてもおかしくないリスクをはらんでいます。
これが3日間続くのですから、気が抜けません。

延々と続く、大小さまざまな大きさの石浜帯

そして、ただでは通過することはできない難所という難所の連続。
岩壁をへつる(岩場のトラバース)、それができなければ高所を登って渡る、それでも渡れないならば海中を歩く、巨岩を越える、等々。
気を抜けば命にかかわる事態にもなりかねない場所を、いくつも超えていきます。
さらにそれらは潮の満ち引きによっても姿かたちをかえるため、事前の下調べは必須です。

へつり
高巻き
巨岩越え

もちろん忘れてはいけないのが、知床半島全域がクマの生息地であるということです。
今回の2泊3日の行程では、計8回のヒグマとの遭遇がありました。ヒグマがいれば、無理に進もうとすることは禁物です。
相手の様子を伺い、何をしているのか、どちらへ行こうとしているのか、こちらに気付いているのか、などを総合して考え、それに合わせてこちらも行動することが肝要です。
状況によっては時間が許す限り待つ忍耐力と、引き返す勇気も必要といえるでしょう。

そうしていくつものポイントを乗り越えようやく辿り着くのが、知床岬の先端部です。
人力のみでしか到達できない場所、それまでの道のりを考えると、達成感に浸らずにはいられません。
一筋縄では行くことのできない場所ですが、挑戦する気概のある方は、ぜひ情報収集とトレーニングを積んだ上で先端部を目指してみてください。

これから計画を立てる方、まずはシレココを読んで、ルサフィールドハウスで最新情報をゲットしましょう。

知床財団コン